2006 Fiscal Year Annual Research Report
1949年以前の中国映画界における外国映画の受容とその影響に関する研究
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18720090
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
菅原 慶乃 関西大学, 文学部, 専任講師 (30411490)
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Keywords | 中国映画 / 映画雑誌 |
Research Abstract |
現存する最も古い中文映画雑誌と呼ばれる『影戯雑誌』やその後継誌『電影雑誌』など影印本が出版されているもの、および、『影戯年鑑』などマイクロフィルム化されているものについては可能な限り入手し精読したが、初期の雑誌記事には欧米の映画雑誌記事からの翻訳と思われるものが多いことを確認した。また、後述するように、中国の各図書館における資料収集に大きな困難があり研究の遂行上大きな障害となったため、研究対象を当該時期に日本やアメリカで発行された映画関連雑誌にまで拡大し、資料収集、分析を行った。その結果、日本と中国の映画雑誌には、時として全く同じ記事が掲載されるケースがあることを発見し、そのオリジナル記事をアメリカなどで発行された映画雑誌に求められることが判明した。 上海での資料調査では主に、1)上海図書館所蔵の中文映画雑誌、2)上海档案館所蔵の共同租界関連档案のうち映画に関連するファイル、の2点を中心に資料調査を行い、目録を作成した。そのうち、1910年〜1920年代の資料に関しては可能な限り複写を試み、現在分析中である。北京では、国家図書館・首都図書館等で、上海図書館では閲覧できない(あるいは蔵書していない)雑誌を中心に閲覧、複写した。『上海図書館館蔵中文報紙目録1862-1949』(1982年発行)などに所蔵されていることが示されている雑誌のうち、破損している等の理由により閲覧不可能である資料がかなりの数に上ったことは、研究遂行上大きな困難となった。こうした事への対応策を含めた研究上のアドバイスを、上海交通大学の李亦中教授、張栄氏、北京電影学院の鐘大豊教授、黄式憲元教授、郭青氏の各位から賜った。 他に、当該時期に中国の映画館で上映されたと考えられるアメリカ映画などのDVDソフト、及び当該時期に中国で製作された中国映画のDVDソフトを中心に映像資料を購入した。
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