2006 Fiscal Year Annual Research Report
ゲルマン語動詞接頭辞とアスペクト・ヴォイスの関係についての共時的・通時的総合研究
Project/Area Number |
18720099
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
黒田 享 筑波大学, 大学院人文社会科学研究科, 助教授 (00292491)
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Keywords | ドイツ語 / ゲルマン語 / 動詞 / ヴォイス / アスペクト / 言語史 / 通時言語学 |
Research Abstract |
平成18年度は研究初年度として研究全体の基礎に関する部分に重点を置き、研究を行った。 まず、ゲルマン語動詞接頭辞とアスペクト・ヴォイスの関係についての最新の研究動向を踏まえ、諸先行研究の相互関係を明確にした。その上で先行研究に挙がっているデータを検討し、18年度の研究においてはいわゆる接頭辞と小辞の差異や、名詞的要素からの派生に特に注目していくことを決定した。 その後、研究補助の協力を受けつつ、英語・ドイツ語・北欧語の各歴史段階の小規模なテキストを用いて試験的なテキストデータベースを構築した。その上で網羅的に用例を採集し、動詞ごとのアスペクト・ヴォイス上の性質を捉える用例データベースを作成した。そして、完成した用例データベースを解析して整理し、動詞接頭辞とアスペクト・ヴォイスの関係を明らかにした。その際は接頭辞と小辞の差異や、名詞的要素からの派生についても分析を行った。 本年度の研究によって、小規模なテキストデータベースからは採取できる用例の数に限りがあり、高い説得力を持つ議論ができないことが明らかになった。19年度はより大規模なテキストデータベースを用いた研究を行うことになっているが、本年度の研究成果はその調査の出発点とする予定である。 なお、本年度に刊行までに至った研究成果はないが、本年度は本研究の成果に基づいて三回の口頭発表を行い、現在印刷中の論文が三件あるので、次年度以降順次刊行されるものと思われる。
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