2007 Fiscal Year Annual Research Report
ゲルマン語動詞接頭辞とアスペクト・ヴォイスの関係についての共時的・通時的総合研究
Project/Area Number |
18720099
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
黒田 享 University of Tsukuba, 大学院・人文社会科学研究科, 准教授 (00292491)
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Keywords | ドイツ語 / ゲルマン語 / 動詞 / ヴォイス / アスペクト / 言語史 / 通時言語学 |
Research Abstract |
19年度は前年度の研究を踏まえ、中世ドイツ語のテキストを中心に大規模なテキストデータベースを構築し、動詞接頭辞の観察を行った。 まず、テキストデータベースに基づいて動詞を含んだ文を網羅的に採集し、データベースを構築した。そして、アスペクト・ヴォイスに関連する視点からそれを解析した。 それを通して、ヴォイスに関する動詞接頭辞の働きについては客観的に変化を延えることができるため、ヴォイスについては充分に説得力ある議論が可能であることがわかったが、アスペクトに関する動詞接頭辞の働きについては客観的に捉えることが困難であることがまず判明した。ネイティブスビーカーの存在しない古語におけるアスペクトは基本的に観察者の該当用例の解釈に従って捉えざるを得ないからである。アスペクトに関連する副詞や接続詞との共起関係によって客観的にアスペクトを捉えることは不可能ではないが、そうした要素が観察できる用例は採集でき.た用例のうちのごくわずかな部分のみであり、現実には研究の足がかりにはならない。そこで研究に不必要な主観性を持ち込まないため、今後はアスペクトについては慎重に取り組むことを決定した。 ヴォイスとの関連では、特に小辞動詞(particle verb)において現代ドイツ語よりもヴォイス変換機能が発達していたことが判明した。ただしこれは位置に関連する動詞の揚合のみに限られる現象であるaまた、前年度得た、英語・ドイツ語・スウェーデン語における動詞接頭辞とアスペクト・ヴォイスの関係に寵する知見を応用し、中世ドイツ語における動詞接頭辞とアスペクト・ヴォイスの関係をゲルマン語1全体の視点から位置づけた。
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Research Products
(2 results)