2008 Fiscal Year Annual Research Report
共時的・通時的分析を用いた言語衰退の研究-消滅の危機に瀕した「パラオ日本語」
Project/Area Number |
18720100
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 和子 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (80350239)
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Keywords | 新方言 / 共時的分析 / 通時的分析 / コイネー / 旧植民地域 / オセアニア / ポストコロニアル / 南洋群島 |
Research Abstract |
本研究課題の最終年度として、平成20年度および21年度(繰越)は、これまでの調査研究を補充・充実させるとともに、総括的かつ総合的な分析・研究を展開した。具体的には、10年前に収集された「旧データ」に関する共時的分析を平成18年度・19年度に進めてきたが、それと比較するために、新たなデータ「新データ」をパラオ共和国にて収集し、書き起こし、調査対象となる言語項目の変異の形と機能を調査し、定量分析を行うための統計ソフトへの入力作業を進めている。今後は、「新データ」に関する共時的分析を完成させ、最終的には「旧データ」と「新データ」の比較を通して通時的分析へと展開させ、社会言語学で一般的に用いられている共時的分析の妥当性・信頼性を明らかにする予定である。 途中段階ではあるものの、これらの研究成果は第8回国際学会オセアニア言語学(8th International Conference on Oceanic Linguistics)にて報告し、関係専門家によるフィードバック等を参考にしつつ、さらに研究を深めている。また本研究成果の一端は、下記の雑誌および著書においても活用し、広く社会へ還元すたるに新聞においても掲載したところである。さらに、本研究課題の最終成果を、『International Journal of the Sociology of Language』で掲載される予定となっている論文2本のなかで公表し、これまでの調査研究の集大成を図り、一定の方向性を示したい。
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