2006 Fiscal Year Annual Research Report
副詞と動詞の相互作用の体系化と日本語教育文法のための修飾関係データベースの構築
Project/Area Number |
18720117
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
井本 亮 福島大学, 経済経営学類, 助教授 (20361280)
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Keywords | 日本語文法 / 副詞的修飾 / 語彙意味論 / 概念意味論 / 状態変化動詞 / 進展性 / gradable property |
Research Abstract |
今年度は当初の計画通り,副詞的成分と動詞句との意味的相互作用を体系化するための実証的研究および理論的基礎研究を行い,研究実績として以下の研究および成果発表を行った。 1.研究論文 1(1)「「〜める,〜まる」をめぐって:予備的考察」『科学研究費補助金(基盤研究(C))研究成果報告書-文法理論の諸言語現象への適切な適用にむけてII』筑波大学 (2)「有生性の実在性をめぐって(2)-有生性を検出するための有効な刺激文の策定-」(阿部二郎・石田尊・川野靖子・冨樫純一・半田達郎・福嶋健伸・福盛貴弘・茂木俊伸と共著)『科学研究費補助金(基盤研究(C))研究成果報告書-文法理論の諸言語現象への適切な適用にむけて1』筑波大学 (3)「状態記述の副詞的成分について」(日本語文法学会『日本語文法』へ投稿中) 2.口頭発表 (4)「限界性と段階性:形容詞派生動詞「〜める,〜まる」をめぐって」(第90回関東日本語談話会,2007年1月17日,於学習院女子大学) (5)「日本語のdegree achievementについて」(第4回現代日本語文法研究会,2006年10月21日,於筑波大学) その他、神田外語大学大学院助教授岩本遠億氏との共同研究を継続的に行い、状態変化構文・「Vすぎる」構文における副詞的修飾と意味作用の理論的研究を進めた。この研究成果については(6)「事象構造と日本語のアスペクト」として現在公刊準備中である。今年度は副詞的修飾による意味作用の事例として、進展的状態変化を表す形容詞派生動詞句に関する記述的・理論的分析を行った。この分析は従来のアスペクト観や動詞の意味構造の理解に変更をもたらすものである。次年度は、現在投稿中の研究論文(1)、公刊準備中の著書(6)とあわせ、この研究成果の公表を進める。また、中国での国際シンポジウム「日本語研究と日本語教育研究の現状と課題」(平成19年6月2〜3日、北京外語大学)における口頭発表が決定している。
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Research Products
(2 results)