2008 Fiscal Year Annual Research Report
ドリルによる手続き的知識の獲得とインタラクションがもたらす新しい英語教授法の研究
Project/Area Number |
18720148
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Research Institution | Hokkaido Institute of Technology |
Principal Investigator |
工藤 雅之 Hokkaido Institute of Technology, 未来デザイン学部, 講師 (10321374)
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Keywords | CLT / EFL / スキーマ獲得 |
Research Abstract |
本年度の研究成果は、以下の2点である。 1. タスクの性質と知識構築について 本年度の研究成果は、Cognitive Load Theoryから得られた知見を外国語教育でのe-ラーニングで応用するときに必要なフレームワークを完成させ、口頭発表したことである。さらにそのフレームワークを利用してパイロット実験も行った。メタ言語知識などの宣言的知識の知識移転を根幹とする言語教育には、認知負荷や各知識の連携(element interactivity)が、学習者の学習結果に大きな影響を及ぼす。シングルvsマルチタスクでの実験結果、学習時における認知負荷を軽減したシングルタスク群がマルチタスク群よりも獲得されたスキーマの反証であると考えられる文節処理を大幅に向上することができたことから、認知負荷を軽減した手続き型知識ドリルは、概念教育(宣言的知識の移転)に傾きがちな我が国の外国語教育では、学習者の認知負担を軽減しながらも、重要な言語知識を与えられることが分かった。 2. インタラクションについて 本研究のような社会学習理論とドリル学習の融合を唱えた研究は多くない。主にドリル的な手法を利用した言語学習は、行動主義的教授法とみられ、社会構成主義的な学びを誘引するものでないとの認識があるからである。しかし本研究で行われた文献研究やパイロット実験の結果からは、学習者が自ら知識を構成するきっかけをドリルという手法が与え、教授者が学習者の発達レベルをインタラクションによって設定・確認することで、学習者の自己効力が向上しうることが理解できた。今後はこの点を実証する実験を行い、ドリル学習行動の確認をインタラクションが橋渡しをし、学習者の認知発達を促成する効果を確認することが課題として浮かび上がった。
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Research Products
(1 results)