2009 Fiscal Year Annual Research Report
国際理解教育が児童の理解・意識・態度の伸長及び自己の確立に及ぼす影響
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18720152
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Research Institution | Tokyo Junshin Women's College |
Principal Investigator |
山賀 尚子 Tokyo Junshin Women's College, 現代文化学部, 講師 (70350527)
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Keywords | 国際理解教育 / 総合的な学習の時間 / 英語活動 / 自尊感情 / 社会的自尊感情 / 国際的志向性 / 児童用アンケート / 公立小学校 |
Research Abstract |
本研究は、公立小学校の「総合的な学習の時間(2009年度より外国語活動)」で行われている国際理解教育の中の英語活動の意義を検証するものである。研究の目的は、英語活動に参加した児童の異文化に対する態度(ここでは国際的志向性(Yashima,2002)と定義する)、自尊感情(Harter,1982)と社会的自尊感情(Luhtanen & Cracker,1992)を測定する尺度を完成させ、1年間の国際理解教育を経験した児童が、同項目についてどのように反応を変化させるかを調査することにある。 本研究は3年間にわたるものであり、最終年度である2009年度は、先の2年間の調査において、前段の各概念を児童用に改良した児童用国際理解アンケート(The International Understanding Questionnaire for Children(IUQC))が完成、その尺度を用いて2小学校の児童の変化を追究し、前年度までの研究結果と比較する作業にあてた。IUQCは38項目の4件法(自尊感情のみ3件法)によるアンケートであり、国際的志向性(15項目、3subcategories)、海外の出来事への興味(5項目、1subcategory、国際的志向性より分離)、自尊感情(6項目、1subcategory)、社会的自尊感情(12項目、3subcategories)の項目から成る。 調査対象は、2009年4月から2010年2月までの約1年間、国際理解教育の授業を受けた公立小学校児童231名とした。6年生が119名、5年生が112名参加した。調査の結果、国際的志向性には統計的にプラスに優位な変化が見られた。また、海外での出来事への興味については初回のアンケートの際、既に数値が高く、児童はそれを1年間維持する結果となった。自尊感情はさらに長期的な変化を探る必要性が見られた。最後に、社会的自尊感情では2008年度の結果を踏まえた概念構成要素の再検討がなされ、今回の初回アンケートに反映させた。その結果、授業実施後に数値が向上するという結果が得られた。この結果は、社会的自尊感情を除き、先の2年間と同様であった。
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Research Products
(1 results)