2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18720170
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
伊藤 昭弘 Saga University, 地域学歴史文化研究センター, 准教授 (20423494)
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Keywords | 塩業史 / 専売制 / 関東州 / 近世近代移行期 |
Research Abstract |
資料調査は、大阪府立図書館における塩問屋関係資料調査、国立国会図書館・国立公文書館における塩業関係資料・文献調査、愛媛県立図書館における塩田地主資料調査などを実施し、近世〜近代における日本国内の塩生産・流通の実態、及び明治後期から昭和戦前期における日本統治下の中国遼東半島(旧関東州)の塩生産に関する資料を収集した。特に塩田地主資料調査は、塩業のみならず当該地域(現愛媛県東部)の地域経済の動向に関わる資料も多数調査し、今後地域における塩業の役割を検討するうえで貴重な資料となることを確認した。また旧関東州塩業関係では、南満州鉄道株式会社の調査部が作成した、塩業に関する報告書が多数存在することを確認した。 また、外交史料館に所蔵される外交関係資料の中に、旧関東州が日本の統治下に入った直後、中国(清朝)と塩の流通販売をめぐり交渉した際の資料を確認した。それらの資料は、アジア歴史資料センターのHPにてダウンロードし、その整理・翻刻をすすめた。塩は清朝にとって専売制による収入を確保するために車要な産物であり、その販売流通をめぐる、日清間の交渉推移が判明する貴重な資料である。 その他、以前収集した山口県の塩業関係資料マイクロフィルムを秋焼さし、整埋・翻刻をすすめた。特に現山口県にあった三田尻塩田および秋穂塩田の塩業組合に関する資料は、塩業の景況や組合の活動が判明する資料であり、重点的に分析し、専売制施行前後における日本国内塩業の動向を検討するための基礎研究をすすめた。
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Research Products
(1 results)