2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18720170
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
伊藤 昭弘 Saga University, 地域学歴史文化研究センター, 准教授 (20423494)
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Keywords | 塩業史 / 専売制 / 関東州 / 近世近代移行期 |
Research Abstract |
資料調査は、1)国文学研究資料館所蔵祭魚洞文庫の塩業関係史料調査、2)東京大学経済学部図書館にて関東州関係企業の営業報告書(マイクロフィルム)調査、3)九州大学附属図書館付設記録資料館所蔵村井家文書の関東州塩業関係史料調査を実施した。1)では瀬戸内地方全域の資料を対象とし、明治〜大正期「内地」塩業の実態をさぐる上で重要な史料を調査した。2)は、大日本塩業株式会社など、戦後消滅した関東州塩業関係企業を中心に調査し、僅かではあるが営業報告書を確認した。3)は、前年までより引き続き村井家の関東州塩業経営関係史料を調査した。そのほか、福岡市総合図書館所蔵の山口県小松塩業組合関係資料や、福岡県地域史研究所所蔵の戦前期台湾塩業関係資料の所在確認調査を行った。上記1)〜3)のような詳細調査は実施できなかったが、ともに塩業史において貴重な資料であり、今後調査をすすめたい。 また、前年度収集した外交史料館所蔵の関東州塩業関係史料、及び防府市立防府図書館所蔵の三田尻塩業組合日誌の翻刻作業を実施した。前者では、塩にかける関税をめぐり日本・清国のあいだで対立が生じていたこと、後者では、三田尻塩業組合の金融活動や専売制実施後の対応などが明らかとなった。その成果は、2009年刊行予定の共著に掲載予定である。そのほか学会・研究会に参加して意見交換に努め、特に松代藩研究会では藩の経済政策について議論し、近世瀬戸内地方の諸藩を検討するうえで示唆を得た。
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Research Products
(1 results)