2007 Fiscal Year Annual Research Report
碑刻史料等の分析による金元代華北における地方文書行政と地域社会の相互関係の研究
Project/Area Number |
18720192
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
舩田 善之 Kyushu University, 大学人文科学研究所, 講師 (50404041)
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Keywords | 東洋史 / 金元史 / 中国 / 華北 / 石刻史料 / 碑刻 / 文書行政 / 地域社会 |
Research Abstract |
本年度は中国山東に重点をおいて調査研究を行うべく、本研究課題補助金によって購入した『中国地方志集成:山東府県志輯』等によって、当該地域の金元碑刻史料の概要を調査・把握した。その結果、従来モンゴル帝国史研究において利用されていない碑刻史料を発見し、また所刻の命令文が現地の地方官の行動を大きく規定した事情等が明らかとなった。当初この一帯の現地調査を計画したが、『中国文物地図集 山東分冊』の刊行が遅れ、当該碑刻の所在情報が事前に確認できなかったため、山東における現地調査は次年度実施することとした。その上で、寧夏固原での国際会議の開催、『中国文物地図集山西分冊』の刊行を考慮し、中国寧夏固原・甘粛〓川・陜西乾県及び山西陽泉等で、碑刻・史跡の現地調査を実施した。この結果、当該地域の金元碑刻史料の現状を確認し、また多くの重要な史料情報を将来することができた。現在、調査報告と現存金元碑刻目録を編集中である。個々の重要史料については、分析を進行しており、最終年度にその成果をまとめる予定である。 発表済みの成果としては、「元代開読詔旨考」では命令文書が地方行政における伝達過程を、「蒙文直訳体の成立をめぐって」ではモンゴル語文書を漢語世界に伝達するための翻訳システムの淵源を、それぞれ解明した。「日本宛外交文書からみたモンゴルの文書形式の展開」では、日本宛外交文書がモンゴル帝国の文書行政において重要な史料となることを提示した。共著『ハラホト出土モンゴル文書の研究』では地方行政文書の訳注研究を担当し、本課題によって得た知見も反映させている。
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Research Products
(7 results)