2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18720196
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Research Institution | Tenri University |
Principal Investigator |
長森 美信 天理大学, 国際文化学部, 講師 (50412135)
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Keywords | 東洋史 / 朝鮮史 / 歴史地理 / 交通 / 流通 / 漂流 |
Research Abstract |
1.朝鮮近世の歴史地理関連資料の調査およびその分析 国内外で刊行された朝鮮歴史地理関連の資料調査、国内各地の資料所蔵機関が所蔵する朝鮮歴史地理関連資料の予備調査を行つた。既刊資料にあらわれる朝鮮近世の地名を収集し、その現地比定を行ったうえで水陸交通路の復元を試みるとともに、「前近代朝鮮地名データベース」を作成を部分的に進めた。その成果の一部は論文「朝鮮近世の海路」として『朝鮮学報』第199・200輯合併号(2006年7月)に発表した。同論文は、18〜19世紀の朝鮮半島全域にわたる海路を記した申景濬『道路攷』を中心に、同時期の史料上にあらわれる地名の現地否定を可能な限り行った後、当時の沿海航路を地図上に復元したものである。 2.近世朝鮮における交通史、流通史に関する研究 上記1.と並行して、税穀・賑恤穀等、王朝政府主導による穀物の全国的流通体系について研究を進めた。その成果の一部は、論文「一八世紀朝鮮における対済州賑恤穀の輸送実態」として『天理大学学報』第214輯(2007年2月)に発表した。同論文は、毎年数千〜数万石もの賑恤穀が陸地(半島本土)から輸送された18世紀の済州地域に対象を絞り、大規模な賑恤穀輸送がどのように行われていたのかを事例分析を通して明らかにしようとしたものである。 なお、18世紀当時の朝鮮人の海上活動、移動範囲とルートを調査する中で、18世紀半ばに海難事故に遭い、当時の奄美諸島徳之島に漂着した朝鮮人の記録を発見し、これをもとに「一七三九年朝鮮漂着民が見た琉球-天理大学付属天理図書館所蔵『増補耽羅志』の漂流関係記録をめぐって-」を『南島史学』第68号(2006年10月)に発表した。
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Research Products
(3 results)