2007 Fiscal Year Annual Research Report
日本列島北部における古代物流経済圏の成立に関する基礎研究
Project/Area Number |
18720218
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Research Institution | History Museum of Hokkaido |
Principal Investigator |
鈴木 琢也 History Museum of Hokkaido, 学芸部, 研究員 (40342729)
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Keywords | 擦文文化 / 平安時代 / 須恵器 / 鉄製品 / 擦文土器 / 土師器 / 交易 / 物流経済 |
Research Abstract |
本研究の目的は、考古資料はもとより文献史料との比較検討を行い、古代における北海道と東北地方の物流経済の社会的な構造の復元を試み、日本列島北部地域における古代物流経済圏の成立について明らかにするものである。 平成19年度の研究は、研究目的にそって次のとおり実施した。 1.古代北海道の交易関連遺跡、流入した交易品(遺物)の調査 1)枝幸町目梨泊遺跡、同ホロナイポ遺跡、余市町大川遺跡、同沢町遺跡、同フゴッペ洞窟遺跡などにおいて、海岸部、河川流域の交易拠点となる遺跡、および鉄製品の小鍛冶関連遺跡の立地環境の調査をおこなった。 2)枝幸町オホーツクミュージアム枝幸、余市町よいち水産博物館、北海道埋蔵文化財センター、札幌市埋蔵文化財センター所蔵資料を中心に、本州から流入した鉄製品と装飾品の調査をおこなった。 2.古代東北地方の生産・交易関連遺跡、鉄製品・装飾品などの遺物の調査 1)青森県の鰺ケ沢町杢沢遺跡、同東禿遺跡、五所川原市十三湊遺跡、中泊町中里城遺跡、秋田県の横手市中山窯跡群などを中心に鉄製品などの生産遺跡および交易関連遺跡の立地環境の調査をおこなった。 2)青森県の鰺ケ沢町教育委員会、五所川原市教育委員会、中泊町立博物館、秋田県の横手市教育委員会所蔵資料を中心に東北地方で生産された鉄製品、装飾品などの調査をおこなった。 3.物流・交易関連史料の集積:古代・中世の物流・交易関連史料の集積をおこなった。 4.調査結果の集成・データベース化および整理・検討 1)古代北海道に流入した鉄製品、その他交易品(遺物)のデータ集積と時空的な整理・検討をおこなった。 2)古代東北地方北部で生産された鉄製品、装飾品などのデータ集積と時空的な整理・検討をおこなった。 5.その他:新潟県立歴史博物館や新潟県佐渡市、早稲田大学考古学研究室などで関連資料・文献などの調査、情報収集をおこなった。
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