2007 Fiscal Year Annual Research Report
ウガンダ・アミン政権下における「大主教殺害事件」を巡るoccult的言説の研究
Project/Area Number |
18720245
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
梅屋 潔 Tohoku Gakuin University, 教養学部, 准教授 (80405894)
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Keywords | アミン政権 / occult / 大主教殺害事件 / アフリカ / 言説 |
Research Abstract |
2007年8月7日から9月5日までウガンダ国で行われた現地調査では、前年に引き続きアドラ民族のoccult観念について集中的な継続調査を実施した(インタビュー結果はすべて英訳済みだが、デジタル化はされていない)。また特筆すべき成果として、悪霊に憑依されたという青年と面接し、そのインタビューを映像・画像に収めることができたことで、occult理解の一助となる資料を得ることができたことがあげられる。さらには前年の調査同様、現地に伝わる音楽を演奏する場を設定して調査し、オボス=オフンビやアミンのことを歌った歌を含む数曲を録画した(そのなかにはoccult的な歌詞も散見される)。その過程で、前年とは異なる楽団の参加を見たところから、新しい楽曲の記録ができたほか、ンダラという巨大な木琴の演奏や、仮面が登場する場面があるなど民族誌的発見が多かった(ンダラは、アルルなどにも共通のものがあるというが、アドラに仮面があるという報告にはこれまで触れたことがなかったので、現在のところ近年の発明か近隣民族からの伝播であろうと推測される)。このように、アドラ民族のoccultをインタビューとそれが表現される演劇の場で調査する一方でオボス=オフンビについてのバイオグラフィー的情報についても家族や近しい人々からのインタビューを継続して資料を蓄積している。オボス=オブシビ子息、ゴドクリー氏を再訪し、オボス=オフンビの事跡について新しい資料が得られただけでなく、身分証明書(故オボス=オフンビ本人のもの1点、母親のもの1点)や日記(3冊)、アルバム(10冊)などの貸し出しを受けた。これらオボス=オフンビの横顔を知るうえで貴重な資料は複写のうえ、平成20年度8月から9月にかけて実施予定の現地調査で再度訪問し、デジタル化したものとあわせて返却する約束となっている。
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