2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18730003
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Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
廣江 倫子 大東文化大学, 国際関係学部, 講師 (90361849)
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Keywords | 香港 / 香港基本法 / 香港基本法解釈権 / 中国 / 「一国両制」 / 「高度の自治」 |
Research Abstract |
本研究は、「一国両制」政策が規定する香港の「高度の自治」に関する論点について、香港基本法解釈権という、香港と中国の権限配分に関わる分野において、「一国両制」構築のメカニズムを解明することを目指すものである。研究内容は2つに大分される。第一が、香港基本法解釈権に関わるl香港基本法訴訟の分析を考察するミクロ的研究であり、第二が、基本法解釈権の展開が「一国両制」構築のメカニズムに及ぼす影響を考察するマクロ的研究である。 平成18年度は前者に重点を置き、以下の活動を行った。 1.国内および北京、香港に赴き以下の論点に関する資料を収集した。 (1)香港基本法起草過程の解釈権に関する議論 (2)解釈権行使事例の比較(契機、主体、関連条文、社会的背景、世論の反応、学説の評価、解釈権行使の法的根拠、訴訟結果に及ぼした効果) (3)法律解釈制度の比較(中国法と返還以前の香港コモン・ロー) 2.2006年8月に北京、9月に香港に赴き調査を行った。 (1)北京:中国社会科学院法学研究所におけるインタビュー調査を行った。 (2)香港:香港大学図書館、同法学部図書館、香港公共図書館付設香港基本法特蔵を中心とした、文献調査を行った。 調査は順調に完遂され、現在は文献の精読を進めながら、最終年度に提出する成果報告書の執筆を視野にいれつつある。なお、平成19年度前半までこの作業を続け、平成19年度後半は後者を加味した総合的研究に当てる予定である。
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