2006 Fiscal Year Annual Research Report
グスタフ・ラートブルフとヘルマン・U・カントロヴィッツの交友関係について
Project/Area Number |
18730005
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
足立 英彦 金沢大学, 法学部, 助教授 (30397202)
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Keywords | 基礎法学 / 思想史 / 法哲学 / ドイツ / 法思想史 |
Research Abstract |
本研究は、20世紀前半にドイツで活躍したグスタフ・ラートブルフ(Gustav Radbruch, 1878-1949)とヘルマン・U・カントロヴィッツ(Hermann U.Kantorowicz, 1877-1940)の交友関係を、彼らが交わした手紙の読解等を通して明らかにすることを目的とするものである。本年度(2006年度)は、すでに公刊されているRadbruch, Gesamtausgabeの17,18巻に掲載されているラートブルフのカントロヴィッツ宛手紙を読み進めると同時に、今後の研究の対象となる資料の収集を行った。すなわち、2006年8月22日から8月30日まで、ドイツのフライブルク大学図書館とハイデルベルク大学図書館を訪問し、図書館職員の協力の下、カントロヴィッツのラートブルフ宛手紙の多く(1903年から39年まで)が、タイプライターで清書され保存されていることを確認した(フライブルク大学に保管されているものはハイデルベルク大学に保管されているもののコピーのようであった)。そして、これらの資料のほぼすべてを複写して日本に持ち帰った。現在、複写した資料のいくつかを読み進めているところであるが、予想通り、両者の間でかなり高度な学問的交流がなされていることを確認することができた。その成果の一部については、2006年10月12〜15日に金沢大学で行われた「日独社会科学学会第9回金沢大会」において報告をし、2007年3月に出版された同学会の学会誌(足立も同誌編集者の一人である)で論文として公表したところである。
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