2007 Fiscal Year Annual Research Report
グスタフ・ラートブルフとヘルマン・U・カントロヴィッツの交友関係について
Project/Area Number |
18730005
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
足立 英彦 Kanazawa University, 法学部, 准教授 (30397202)
|
Keywords | 基礎法学 / 思想史 / 法哲学 / ドイツ / 法思想史 |
Research Abstract |
本研究は、20世紀前半にドイツで活躍したグスタフ・ラートブルフ(Gustav Radbruch,1878-1949年)とヘルマン・U・カントロヴィッツ(またはカントロヴィッ「チ」Hermann U.Kantorowicz,1877-1940年)の交友関係を、彼らが交わした手紙の読解等を通して明らかたすることを目的とするものである。本年度(2007年度)は、昨年度に引き続き、カントロヴィッツのラートブルフ宛手紙(昨年度にドイツのフライブルク大学とハイデルベルク大学図書館より入手したコピー)の読解を進めることを中心に研究を遂行した。その結果、法理論的方法で法学を研究しようとするラートブルフに対して、法制史に対する関心に基づいてラートブルフに意見を述べるカントロヴィッツの姿や、他の友人達との意見交換、他の友人達に対するカントロヴィッツやラートブルフの評価・批判などを手紙から読み取ることができた。なお、当初予定していた法哲学・社会哲学国際学会第23回世界大会での報告は、やむを得ない事情により断念せざるをえなかったが、代わりに、中国の汕頭「スワトウ」で開催された第4回ラートブルフ・セミナー(亜太比較法研究会の一部として開催)で研究成果の一部を報告することができた。この報告は中国語に翻訳されて中国で公表される予定である。来年度(2008年度)は、ラートブルフのカントロヴィッツ宛手紙の読解も含めて研究をさらに継続し、研究成果を公表する予定である。
|