2006 Fiscal Year Annual Research Report
地域社会におけるリーガルサービス供給ストラクチャの全体像とその構築プロセス
Project/Area Number |
18730006
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
大塚 浩 奈良女子大学, 生活環境学部, 助教授 (30324958)
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Keywords | 消費生活相談 / 法律相談 / 弁護士論 |
Research Abstract |
自治体等による相談業務の内容、件数の推移を統計的に把握し、その上で、相談実務の社会組織を明らかにすることを目的として研究活動遂行しつつある。 分析の対象は、第一に、ワークロードの過重負担や自治体財政など日常の相談業務に作用するいかなる組織的ないしは社会的、財政的要因が相談業務のあり方を規整しているのかという点、第二に、相談業務の社会組織の諸特徴に規定されつつ、相談担当者は個々の相談をいかなるフレームワークを用いて処理するのかという点、すなわち、一般消費者から持ち込まれる大量の各種相談を効率的且つ効果的処理するために用いられる紛争のカテゴライズの方法や、また、円滑かつ効果的な処理を目指して動員される方法がいかなるものかを認識するという点。第三に、相談担当者が内在させている紛争処理のスキームが個別案件の処理の際、いかなる相互作用的なプロセスを相談者との間に現出させるのかという点。また、それに関連して、相談者と相談担当者との間で紛争がどのように定義されるのかのプロセスにこの相談担当者の側のスキームがいかなる作用を及ぼすのかを明らかにするという点である。 同様に、弁護士会の法律相談担当部門、消費生活相談員、社会福祉協議会、司法書士等、実質的にリーガルサービスを地域社会に提供していると思われる組織・担当者に対しても調査を実施し、各機関の相談事業の運営が、連携・重畳等、相互にどのような関係を取り結びつつ、地域社会におけるリーガルサービスの供給ストラクチャが構築されているのかを明らかにする作業を遂行しつつあり、これらの課題に対して、各種資料・インタビュー・研究論文等を利用して一定の回答を与えつつある。
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