2006 Fiscal Year Annual Research Report
中近世移行期日本における暴力事件の処理に関する実証的研究
Project/Area Number |
18730007
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
河野 恵一 九州大学, 研究戦略企画室, 助手 (90380659)
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Keywords | 中近世移行期 / 武家社会 / 暴力 / 紛争処理 / データベース |
Research Abstract |
平成18年度は、主に(1)データベース作成の基礎作業、及び(2)文献・史料収集、を予定していたが、所属の変更に伴って職務内容及び研究環境に大幅な変化があり、研究時間の制約が生じたため、計画を若干変更して研究活動を行った。それぞれについての成果の概要は以下の通りである。 (1)データベース作成作業について 関連文献やウェブサイトを通じて情報収集を行い、データベース構築・運用のノウハウ習得に努めるとともに、試験的にデータベースを構築し、最適なデータベースの仕様につき検討を行った。具体的には、第一に『大乗院寺社雑事記』から仮に10件程度の暴力事件を選び、事件発生日時、場所、直接当事者、事件処理担当者等の要素を整理して試験的に電子データベースを構築した。第二に、それらの事件に関わる記述の全文をテキストデータ化して全文検索を可能にした。これらの作業により、データベース構築に向けた骨格が定まった。 (2)文献・史料収集について 中世の暴力事件に関するものを中心に、法史学、法社会学、法哲学、及び歴史学等の分野から関連すると思われる文献を収集し内容を検討した。また、主に中世後期の刊本史料を閲覧し、暴力事件のピックアップを行った。さらに、これらの文献・史料から得た情報を順次整理し、データベースへ収録するための準備作業を行った。 なお、平成18年度の実施を予定していた、未刊史料等の調査・収集、及び他の研究者との交流については、現状で入手可能な史料に基づきデータベースを構築し、ある程度の成果が出てから実行したほうが効果的だと判断したため、当初の計画を変更して平成19年度に集中的に行うこととしている。
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