2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18730019
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
淺野 博宣 神戸大学, 法学研究科, 教授 (40261945)
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Keywords | アメリカ / アメリカ合衆国最高裁 / 司法審査 / 平等 |
Research Abstract |
平成18年度においては、本研究課題に関しては、以下の研究に従事した。 1、選挙法の分野では、選挙区への議員定数の割り振りが入口比に対して不均衡であることが憲法上の等に反しているとして争われている、いわゆる議員定数不均衡訴訟において、そこその中心的争点である投票価値の平等をどのように理解すればよいのかについて、アメリカでの議論を参考に、日本の判例を読み解こうという作業をおこない、公表した。 2、原理的・基礎的研究としては、裁判所が行なう司法審査の方法について、現代を代表する法哲学者であるロナルド・ドゥオーキンの議論を、プラグマティズムとの関係注意しつつ、検討を行なった。ドゥオーキンの法理論、特にインテグリティ論はexpressiveな価値を重視する法理論であると理解し、その点に重点を置いた考察をおこなった。公表は次年度になる予定である。 3、歴史的研究としては、司法消極主義の再検討を行なっているところである。このうち、Abrams v. United States判決におけるオリヴァー・ウェンデル・ホームズ・ジュニア裁判官の反対意見については、短いものであるが、次年度に公表する予定である。Abrams判決は表現の自由を厚く保障する現在の連邦最高裁の考え方の嚆矢となった判決であるが、それをLochner V. New Yorkでのホームズ反対意見(司法消極主義に立つ)との一貫性をどのように考えるかについて考察を行なった。
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