2006 Fiscal Year Annual Research Report
国内裁判所における国際人権条約の実施と憲法解釈の関係の総合的研究
Project/Area Number |
18730023
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Research Institution | Hokusei Gakuen University |
Principal Investigator |
齊藤 正彰 北星学園大学, 経済学部, 助教授 (60301868)
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Keywords | 憲法 / 条約 / 国内裁判所 / 国際人権条約 / 国内的実施 / 国際法 / 国法体系への条約の受容 / 国法秩序における条約の地位 |
Research Abstract |
本研究は、国際人権条約の国内的実施の具体的な状況を逐条的かつ総合的に明らかにするものである。とりわけ、関連する日本国憲法の規定の解釈との関係で、国内裁判所がどのような条約解釈を展開しているかについて、検討することを目的とする。 本年度は、日本の国内裁判所において国際人権条約が援用された裁判例を収集・検討するという当初の研究計画に基づき研究を進め、また、憲法・国際法・国際人権法に関する文献を収集・検討した。 そして、国際人権規約と日本国憲法の解釈についての国内裁判所の対応を検討するなかで、(1)国法体系への条約の受容の段階に関して、(1)国法体系内部に入った条約の性質をどう解するか、(2)憲法第61条が憲法第60条第2項を準用していることをどう解するか、(2)国法体系における条約の位置づけに関して、(3)国法秩序における条約の地位をどう解するか、(4)憲法の規定における「法律」の意味と条約の位置づけをどう解するかについて、論点と見解を整理した(芹田健太郎=棟居快行=薬師寺公夫=坂元茂樹編『講座国際人権法1国際人権法と憲法』103-123頁に収録の齊藤正彰「国法体系における条約と法律の関係」)。また、国際人権法に関する判例研究として、亡命者・政治難民の保護に関する最高裁判例について検討した。 これらの検討は、本研究が行う考察の一部分に属するものであるが、なお研究期間の前半であり、本研究の成果を総合的に発表したものではない。
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