2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18730032
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
濱本 正太郎 Kobe University, 大学院・法学研究科, 教授 (50324900)
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Keywords | 国際法と国内法 / 国際法の適用 / 国際法の国内実施 / 直接適用可能性 / 間接適用 |
Research Abstract |
本年度も、引き続き、国内法秩序における国際法規範の「間接適用」の事例収集・検討と、関連する国際法・国内法二次文献の収集・分析を中心に行った。その上で、研究成果のまとめに取り組んだ。 その結果、「間接適用」と評価しうる事例が少なからぬ国において一定数見られることが、まず明らかになった。他方で、「間接適用」を正当化する論理については、国内裁判判決において必ずしも明示的に展開されているわけではないことも同様に明らかになった。 とりわけ注目されるのは、ヨーロッパ法(EU/EC法およびヨーロッパ人権条約)における展開である。EU/EC法については、ヨーロッパ司法裁判所がEC法の優越性を明確に打ち出しているのに対し、各国国内裁判所は、それを必ずしも受け入れていない。しかし、各国の主権を維持し、各国憲法の至高性を捨てきれないながらも、EU/EC法の規範内容を受け入れてきている。形式的な議論としてはあくまで伝統的二元論で説明できる対応ではあるが、EC法の優越性(したがって主権概念の変容)をそこに見ることもできる。 また、本年度は、進展著しい投資法分野における間接適用の実態を解明するその手がかりとして、国際平面における投資に関する国際法と国内法(と、見方によっては、第三の法秩序)が絡み合う, 投資協定の義務遵守条項に関する研究も進めた。
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