2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18730034
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
山田 卓平 Kobe Gakuin University, 法学部, 准教授 (00330415)
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Keywords | 国際法 / 国家責任 / 緊急避難 / 緊急状態 |
Research Abstract |
平成18年、19年は主に慣習法上の緊急避難規則について理論的側面および実証的側面から研究してきた。しかし、緊急状態理論は、各分野の条約における個別め緊急条項という形でも実現されている。これら個別規則も踏まえなければ、国際法上の緊急避難規則の全体像は見えてこない。 そこで平成20年度は、そのうちの代表例である人権条約のデロゲーション条項について実証的な検討を行うことにした。中でも豊富な実践を有する欧州人権条約第15条たついて詳細に分析した。分析した事件は19件に及ぶ。本テーマについての実評的研究は最近はあまり見られないが、1990年代半ばよりトルコに対する判決が続いでおり、それらを踏まえてアップデートすることには意味があると思われる。 研究成果については、京都大学国際法研究会において報告し、多くの有益なコメントを得た。公表原稿は平成21年初頭には完成していたが、平成21年2月19日に欧州人権裁判所大法廷が本テーマについての極めで重要な判決を下したため、この判決内容を踏まえた訂正をするべく、論文公表が遅れている。現在、作業の最終段階であり、平成21年6月には公表する予定である。 それと同時に、慣習法上の緊急避難規則についての論文を英文で執筆中であり、こちらの方は平成21年夏には完成予定である。
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