2007 Fiscal Year Annual Research Report
スポーツ選手の労働者性と事故補償のあり方に関する考察
Project/Area Number |
18730041
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
川井 圭司 Doshisha University, 政策学部, 准教授 (50310701)
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Keywords | プロ・スポーツ / 労働者 / 団体交渉 / 労働条件 / アメリカ / 労災補償 / 選手 |
Research Abstract |
19年度の研究では、スポーツ選手と労働者性をめぐる近年の動向について検討を加え、その成果を「日本におけるプロスポーツ法の現状と問題点〜選手の権利をめぐって日米欧比較の観点から〜」日本スポーツ法学会年報14号28-42頁において明らかにした。 なお、昨年9月より米国マサチューセッツ大学スポーツ経営大学院において客員研究員として在外研究に従事しており、この間、日米におけるスポーツ文化の相違および法概念、特に契約概念の相違に着目した検討を実施した。具体的には、プロスポーツ選手の労働条件の決定過程、選手契約の性質、アスリートとしての業務に関連する負傷(労働災害)と選手契約の効力についてである。 アメリカでは、業務に関連する負傷については原則として各州の労災補償制度の適用を受けることになるが、その際、リーグによっては選手契約を一方的に解除する権限をチーム側が保有していることなどが明らかになった。こうしたアメリカの各プロリーグにおける労災補償および選手契約上の取り扱いの検討は今後わが国での議論の契機になると思われる。加えて、Eastern League(マイナーリーグAA)代表のJoe McEacharn氏への取材において、マイナーリーグ選手の労働者性や労働条件等について貴重な情報を入手することができた。これら19年度の研究は、本研究課題の目的達成への大きな一歩となった。
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