2008 Fiscal Year Annual Research Report
現代社会における情報・サービスの刑事法的保護の研究
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18730047
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| Research Institution | The University of Tokyo |
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Principal Investigator |
橋爪 隆 The University of Tokyo, 大学院・法学政治学研究科, 准教授 (70251436)
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| Keywords | 刑事法 / 情報 / 財産犯罪 / ネットワーク犯罪 |
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| Research Abstract |
本件研究課題は、現代社会のネットワーク化、情報化の潮流のもと、情報・サービスに関する不正行為およびそれに対する刑事上の法制度の全容を正確に理解したうえで、情報・サービスの保護に関する刑法解釈論上の問題点について、解釈論的な研究を行うものである。
本年度においては、平成18年度の基礎的・準備的な研究作業の成果、平成19年度の電子計算機使用詐欺罪の成立要件、横領罪における「横領」概念などの個別犯罪類型の解釈論的研究を踏まえつつ、さらに個別犯罪の解釈論的研究に従事した。具体的には、詐欺罪、強盗罪などの財産犯罪における「財産上の利益」の内容について、再検討を加えた。その結果、現行の刑法典においては財物に比肩すべき確実性・具体性を持った利益が保護対象になっていると考えられるため、やはり情報・サービスの包括的保護には限界があることを確認した。既に不正競争防止法改正などの立法が進展しているが、必ずしも十分な運用がなされているわけではないため、その原因を検討しつつ、さらに立法論的な検討が必要となろう。その他、インターネットによる名誉殿損罪の成立範囲などの問題について、犯罪終了時期との関連において検討を加えた。さらに、ネットワーク上の有害情報規制について、法的規制の在り方について、研究者・実務家等との意見交換の機会を持った。
これらの研究成果は、現代的な問題を解決するとともに、さらに、伝統的な刑法理論へのフィードバック効果が期待されるものであり、重要性は高いと思われる。さらに、今後の立法動向を分析しつつ、同様の手法から研究を継続する必要がある。
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Research Products
(1 results)
