2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18730048
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
松原 英世 Ehime University, 法文学部, 准教授 (40372726)
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Keywords | 厳罰化 / 犯罪不安 / 犯罪抑止 / 刑罰 / 刑事政策 / 犯罪 / 刑事制度 / 世論 |
Research Abstract |
本年度は、本研究の総括として、昨年度実施した質問紙調査を集計・分析し、研究成果をまとめて、学会で発表するとともに、論文として学術雑誌に投稿した。 本研究の中心的な問いは、厳罰化への支持は、厳罰化についてよく耳にする「抑止的」な関心からか、それとも、「関係的」な関心からか、であった。この点を明らかにするべく、本研究では、「厳罰化への支持は、犯罪を減らしたいという意識ではなく、社会状況の認識や社会についての見方に基づくものである」という仮説を立てて検証した。その結果、「厳罰化への支持は、犯罪を減らしたいという意識が直接的に影響するのではなく、社会状況の認識(モラル低下懸念)と社会観が影響する」という仮説モデルが支持された。したがって、一般に語られることの多い図式、すなわち、「犯罪不安の増大が、それを減らすための有効な対策として刑罰の強化を求めている」という図式は、根拠のないものであることが分かった。
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