2006 Fiscal Year Annual Research Report
子ども保護に向けた総合的法システム構築のための基礎的研究
Project/Area Number |
18730061
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
合田 篤子 山形大学, 人文学部, 助教授 (50361241)
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Keywords | 民事法学 / 親権 / ドイツ |
Research Abstract |
本研究の目的は、子ども保護に向けた総合的法システムの構築を目指し、その基礎的研究を行うことである。 具体的には、親権者による濫用的な財産管理権行使から未成年者の財産を保護する法システムが現行法では十分ではないとの立場を出発点に、立法論として、家庭裁判所による許可制という事前的規制を導入することの是非の検討を行うことである。 当該研究目的を達成するために、本年度はドイツへの海外調査を1週間実施した。ドイツでは直接裁判官に会ってヒアリングを行うことはできなかったが、資料収集などを行うことができた。 ドイツでは、たとえば、未成年者がプロスポーツ選手となりその契約金(収入)に関して親の財産管理権との関係で問題となることもある。つまり、日本で想定されている事項よりも家庭裁判所が許可を与える場面が多岐に渡っている。裁判官や裁判所の数そのものがドイツでは日本よりもはるかに多く、その点でも見習うべきことが多いことは以前からも指摘されている通りである。 本研究では、基礎的研究として財産管理権に焦点を当てているが、児童虐待事件等も視野にいれると、身上監護権も含めた親権について、親権者が濫用的な親権行使を行わないようなシステムの構築が望ましいとさらに確信を得た。 ただし、今年度中に中間報告という形で研究成果を発表する予定であったが、残念ながら発表には至っていない。来年度中に、本研究の成果を報告したいと考えている。
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