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2008 Fiscal Year Annual Research Report

民事訴訟の手続構造と裁判官の役割

Research Project

Project/Area Number 18730065
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

垣内 秀介  The University of Tokyo, 大学院・法学政治学研究科, 准教授 (10282534)

Keywords民事訴訟 / 裁判官の役割 / 手続構造 / 争点整理 / 弁論主義
Research Abstract

平成20年度においては、ドイツにおいてさらに現地調査を実施したうえで、研究全体の取りまとめのため、これまでに得られた基礎的な知見を、より具体的な民事訴訟法解釈論・運用論のレベルの問題のいくつかに適用することを試みた。その一部は、後記のとおりすでに公表されている。
具体的には、第一に、平成8年の新民事訴訟法制定以来民事訴訟の迅速化・充実のための大きな柱として重視されてきた争点整理の局面について、近年、当事者主義の理念や司法資源の有効利用という観点から、従来主流であった裁判官主導の争点整理から当事者主導の争点整理への転換を図るべきである、という考え方が有力になりつつあるが、これに対して、近代ドイツおよび日本における一元的な手続構造の下では裁判官の主導が要請されることになりやすく、上記のような転換を図るとすれば、手続構造自体の見直しを伴わざるを得ない可能性があることを指摘した。
第二に、従来から裁判官と当事者との役割分担を規律する主要な原理の一つであると理解されてきた弁論主義に関して、同じく私的自治の原則を根拠として弁論主義を理解する場合においても、そこで果たされる裁判官の役割の評価によっては、その内容は大いに異なるものとなり得ること、この問題との関係では、とりわけ、実体的真実の発見における裁判官の役割をどのように評価するか、また、訴訟手続における原告および被告の地位をどのように構造化するかが問われること、日本における従来の通説的な理解は、これらの点に関する特定の理解を前提とするものであることを指摘した。
釈明権行使のあり方など、なお論ずべき問題も多いが、これまでの研究を踏まえて引き続き成果の公表につなげていきたいと考えている。

  • Research Products

    (3 results)

All 2009 2008

All Journal Article (3 results)

  • [Journal Article] 主張責任の制度と弁論主義をめぐる若干の考察2009

    • Author(s)
      垣内秀介
    • Journal Title

      青山善充先生古稀祝賀・民事手続法学の新たな地平

      Pages: 73-102

  • [Journal Article] 争点整理をめぐって-『民事訴訟実務と制度の焦点』を素材として-(上)2008

    • Author(s)
      遠藤賢治
    • Journal Title

      判例タイムズ 1266号

      Pages: 19-45

  • [Journal Article] 争点整理をめぐって-『民事訴訟実務と制度の焦点』を素材として-(下)2008

    • Author(s)
      遠藤賢治
    • Journal Title

      判例タイムズ 1268号

      Pages: 5-28

URL: 

Published: 2010-06-11   Modified: 2016-04-21  

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