2007 Fiscal Year Annual Research Report
資金決済システムにおけるネッティング合意に関する研究
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18730071
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
村山 洋介 Kagoshima University, 大学院・司法政策研究科, 准教授 (80314722)
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Keywords | 相殺予約 / ネッティング / 銀行取引約定書 |
Research Abstract |
研究初年度に、「ネッティング契約の相殺構造-ISDA2002年版マスター契約におけるクロズードアウト・ネッティング条項を中心にー」(平成17年度基盤研究(B)「非典型担保の実態・解釈・立法研究方法(研究代表者鳥谷部茂広島大学教授)」)をとりまとめ、ISDA2002年版マスター契約におけるネッティング条項の相殺構造と従来の相殺理論を適用することの意義と限界について分析を試みたが、研究最終年度を控える昨年度は、同論文を基礎に、ドイツ法におけるネッティングに関する議論状況を踏まえ、マルチラテラル・ネッティング条項に関する実体法および倒産法上の効力について検討を試みた。特に、我が国における相殺予約理論のネッティングスキームに対する適用可能性、それらの分析を踏まえたネッティングの対外的効力について検討を試みた。さらに、「銀行取引約定書ひな型廃止後の銀行取引約定書改訂動向(1)(2・完)」(鹿児島大学法学論集41巻1号、同2号)、及び「銀行取引約定書における相殺予約条項」(『李善永博士華甲記念論文集・土地法の理論と実務」735頁以下)の分析を基礎に、銀行取引約定書の改訂動向の傾向と分析について検討を試み、とりわけ、銀行取引約定書ひな型廃止後の各金融機関における債権回収方法に一定の変容が見られるか、見られるとした場合、さらにそめ法的効力について分析を試みた。これらの研究成果を研究最終年度の平成20年度に順次公表していく予定である。
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