2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18730073
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
山下 純司 学習院大学, 法学部, 助教授 (90282532)
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Keywords | 民法 / 消費者概念 / 情報 / 契約 |
Research Abstract |
本研究は,信認関係や継続的な契約関係を中心に,情報の役割を検討するというものであるが,初年度にあたる18年度は,主に契約における情報の役割についての基礎的な研究として、事業者・消費者概念の契約法における位置づけについて検討を行った。事業者と消費者は,情報力において格差が存在し,その非対等な関係が,消費者契約における諸問題を生じさせていわれているが、関係が非対等であるということの意味が、十分に考察されているとは言い難いように思われたからである。そこで、契約当事者の対等性の意味を考察するところから研究を始めた まずわが国における議論状況についての調査を行った。消費者概念については,消費者法を民法の中に取り込むかどうか,すなわち消費者を民法上の「人」概念の具体化として考えるかどうかについての議論の研究が比較的盛んであるため、この中から、消費者概念の抽出を試みた。また「事業者」概念については、近時の金融商品取引法、金融商品販売法の、特定商取引法など個別立法についての研究を、文献調査を中心に行った。 また比較法研究としては、売主の瑕疵担保責任について、事業者・消費者での差異という点に着目した研究を行った。売買目的物の瑕疵は契約における重要情報の一つと考えられるからである。 調査してみると,フランスにおける瑕疵担保責任制度の判例理論において,きわめて興味深い発展が見られた。すなわちフランスでは,事業者同士の売買と、非事業者同士の売買について、同じ対等な関係でも、異なる規律が見られるのである。現在,この点について,より詳しい考察をおこなった論文を執筆中である。
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