2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18730106
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
西山 隆行 Konan University, 法学部, 准教授 (30388756)
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Keywords | アメリカ型福祉国家 / 社会政策 |
Research Abstract |
アメリカの福祉レジームの特徴を解明するために、2008年度の前半期には歴史的な位置づけを理解するための研究を行った。20世紀初頭から第二次世界大戦までの時期については『甲南法学』48巻4号で(諸般の事情で発行が大幅に遅れているため近刊予定)、1960年代から70年代初頭についてはThe Japanese Journal of American Studies vol.19で、また、1960年代から20世紀末までの時期については『甲南法学』49巻1/2号でそれぞれ検討している。なお、『甲南法学』49巻1/2号の論文は、アメリカの福祉レジームの特徴を民主政治論の観点から位置づけなおした研究でもある。アメリカの福祉レジームは主としてヨーロッパ諸国との比較を念頭に置きつつ、「遅れてきた福祉国家」などと称されて否定的に評価されてきた。それに対して、これらの研究はアメリカの福祉レジームに独自の意味づけを行う作業であった。2008年に公刊された拙著『アメリカ型福祉国家と都市政治』は本プロジェクトより以前に開始された研究であったが、本プロジェクトで得られた様々な知見が含められている。 以上の歴史的な検討を踏まえて、21世紀に入って以降のアメリカの対貧困者政策について、主として2008年の後半期に研究を行った。一九九六年のビル・クリントン政権によって達成されたアメリカの福祉国家再編を踏まえて、ジョージ・W・ブッシュ政権期に社会福祉政策がどのように執行されたかを解明するものである。その成果は2009年5月10日に広島大学で行われる日本行政学会年次大会で報告されると共に、『甲南法学』50巻(号数未定)で公刊される予定である。
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Research Products
(5 results)