2008 Fiscal Year Annual Research Report
EUにおける市民社会組織参加型ガヴァナンスの機能と正統性
Project/Area Number |
18730117
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
網谷 龍介 Meiji Gakuin University, 国際学部, 准教授 (40251433)
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Keywords | EU / 市民社会組織 / 社会政策 / 専門性 / ガヴァナンス / 欧州委員会 |
Research Abstract |
本年度は, まず調査としては, EUの第6次枠組計画の資金を得て実施されている国際研究プロジェクトCINEFOGO(Civil Society and New Fomls of Governance in Europe)の研究成果総括会議に参加した。社会政策と市民社会組織の関係について, 有益な知見を得たほか, Annette Zimmer教授やAdalbert Evers教授など, 市民政策研究の有力な研究者と意見交換を行うことができた. 次に研究成果については, 今年度公刊されたものは, 市民社会組織への政策過程への組み込みを歴史的に位置づけるための背景となる, ヨーロッパ・デモクラシーの変容についての概論を執筆したにとどまる. その他では, この研究プロジェクトを取りまとめ, 単行書規模のまとまった論稿(の一部)とするための準備作業を続けており, 2009年度中には目途を立てたいと考えている. 口頭報告としては, 2008年5月にドイツのLoth教授を招いて行われた国際ワークショップに参加し, 欧州統合を歴史的にみる際に, ガヴァナンス空間や社会的統合の視点からの見直しを行う可能性を指摘した. その準備過程では, EU組織内のキャリアパターンなど, 代表者が関心を持ってきたトピックへの歴史研究が始められていることも知り, 市民社会とガヴァナンスの視点からの統合研究の可能性を再認識した. なお, 研究の成果の一部を国際学会で報告するため, 2009年9月にドイツで行われるヨーロッパ政治コンソーシアムの研究大会での報告に応募し, 採択されている.
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