2006 Fiscal Year Annual Research Report
和平プロセスにおける国際平和活動の役割ー分析枠組みの構築と主要事例の比較
Project/Area Number |
18730118
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
上杉 勇司 広島大学, 大学院国際協力研究科, 助教授 (20403610)
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Keywords | 国際平和活動 / 国連 / 北大西洋条約機構 / アフガニスタン / PRT / DDR / 国連統合ミッション / 民軍関係 |
Research Abstract |
本年度は国際平和活動に関する先行研究の整理を行い、和平プロセスにおける国際平和活動の役割に関する分析枠組みの構築をさらに準める目的で以下のとおり実施した。 (1)国際平和活動に関連する資料・書籍を分析することで、国際平和活動に関する先行研究を整理するとともに、近年の国際平和活動の傾向と特徴を把握することに努めた。 (2)国際平和活動の中でも国連による平和維持活動と北大西洋条約機構(NATO)による平和維持活動に焦点を当て、国連、NATO、米国の関連機関への聞き取り調査と資料収集を行い、最近の国際平和活動の動向を把握するとともに、実務家の観点から重視される課題を探った。 (3)国際平和活動を担当する日本政府の関係省庁や関連分野の研究者への聞き取り調査を実施し、日本の対応や政策を理解することに努めた。 (4)国際平和活動に関連する学会、研究会、シンポジウム等に参加して、最新の研究動向を把握するとともに、本研究の進捗状況に関して意見交換を行う機会を設けた。 (5)以上の研究成果を取りまとめ、日本国際政治学会において「アフガニスタン武装解除・動員解除・社会復帰(DDR)における地方復興支援チーム(PRT)の役割として、NATOによる平和維持活動について報告を行なった。この研究成果を論文「平和構築における民軍関係の指針」としでまとめ日本国際政治学会の『国際政治』に投稿し、掲載の判定結果が出ている(未刊)。同様に、研究成果を取りまとめたものを、米国の国際研究学会(ISA)の学会にて「Provincial Reconstruction Teams (PRTs) in Afghanistan : Filling the Gaps in peacebuilding」として報告した。さらに、研究成果を論文「国連統合ミッションにおける人道的ジレンマ」にまとめて、日本国際連合学会の『国連研究』第8巻.(平成18年6月)に掲載される。 このような初年度の研究成果を踏まえ最終年度となる来年度は、国際平和活動の主要な事例研究を行い、和平プロセスにおける国際平和活動の役割についてさらに検討を進めたい。
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Research Products
(4 results)