2006 Fiscal Year Annual Research Report
国際的観点からみた実物的景気循環論とサーチモデルによる日本の労働市場分析
Project/Area Number |
18730126
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
ESTEBAN P Julen 東京大学, 大学院経済学研究科, 講師 (60376572)
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Keywords | 日本 / 失業 / 景気循環 |
Research Abstract |
本年度は、特にマクロ理論の観点から、日本の労働市場に関する研究を含む、このプロジェクトと関係する3つの異なる論文作成を行った。第1の論文はRichard A.Braun、Nao Sudou, Toshihiro Okadaとの「日本と米国景気循環の比較」に関する共同研究である。この論文では、過去40年の日本の雇用が拡張的収益(雇用)より集約的限界(時間数)において、より不安定だった理由を検討する。特に米国の労働市場が、広範囲な、より大きな変化を見せたことが興味深い。論文では、我々は、男性と女性2名のメンバーによって構成された世帯をから成る、実際の景気循環を使用する。データの中で観察された、基礎的な事実を再構築するためのモデルの基礎となるパラメータを推測した。我々は、日本の労働市場の予想変動率は、大概、勤務時間の調整ではなく、男性労働者の雇用形態を調節する(雇用か、失業か)というリスク回避によって動かされる、ということが分かった。日本人の女性労働者は、米国の男性および女性に非常に似て振る舞い、また時間数より雇用形態を調節することを望む。この論文はJapan and the World Economyで最近刊行された。第2,第3の論文については、中嶋亮氏(筑波大学)・田中隆一氏(東京工業大学)と研究を進めつつ、現在データの取り寄せ・分析・執筆を行っており、今後、完成させていく予定である。 論文に加えて、本年度は、川口大司氏(一橋大学)によって組織された労働ワークショップの一員も務めた。月一回、参加者により進められている研究について議論した。これは、日本の労働市場と関わる我々の研究に規則的なフィードバックを与え、ミクロ理論または計量経済学のような他の分野の研究者の見解を得ることを可能にした。このワークショップは来年度も継続する予定である。
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