2007 Fiscal Year Annual Research Report
国際的観点からみた実物的景気循環論とサーチモデルによる日本の労働市場分析
Project/Area Number |
18730126
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
エステバン P ジュレン The University of Tokyo, 大学院・経済学研究科, 講師 (60376572)
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Keywords | 日本の労働市場 / 失業 / 労働市場の動き / ビジネスサイクル / 失われた10年 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、本研究に関わる2本の論文について、マクロ的観点からみた日本の労働市場に関わる研究を行った。第1の論文、中嶋亮氏・田中龍一氏との共同研究である"Understanding Japanese Unemployment Flows From the 1990s"の中で、我々は、論理的観点から1990年代の日本の失業の流れの最も顕著な特徴を研究した。特にその10年の失業率の劇的増加に着目した。また、モデリングと中間集計を行った。現在、年齢、性別、地方などの異なったカテゴリーに細分化された、日本の労働者の主要な流れを研究した論文の、計量経済学的部分を終えたところである。また、モデリングを行い1990年代の日本に見られた不況増加のタイミングや規模を再現しうるモデルを示した中間結果を得た。2本目の論文は、"Labor Market Structure and Inequality in Japan"(同じく中嶋亮・田中隆一氏と共著)である。この論文で我々は、日本の職業の変遷をより理解するために、日本のミクロデータを使ったサーチモデルを測定した。我々は日本の労働市場の変化を研究し、異なるグループのクロスセクション的賃金不均衡度を理解するため、コホート分析を行った。そして最終的に、他の日米研究の成果と比較した。これも実証的部分を終了し、現在は、計量経済学的手法を通したモデルの測定を行っている。また、一橋大学・川口大司氏主催の労働ワークショップへ参加し、月一回、進行中の研究について議論を交わした。これが我々の研究への定期的なフィードバックとなり、ミクロ経済学や計量経済学等の他の分野の研究者からの意見を得る貴重な機会となった。このワークショップは2008年8月迄開催の予定である。
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