Research Abstract |
本研究の初年度である平成18年度は、準備的な作業を中心に行った。まず研究の第1段階として、経済主体の戦賂的行動に関する理諭研究の文献を調査した。学術書籍については、Chamley(2004) Rational Herds, Cambridge Univ. Press.をはじめとする数多くの文献を入手したが、本研究の分析に有用なモデルは発見できなかった。その一方で、学術雑誌においては、Ito, Takatoshi,1990,''Foreign Exchange Rate Expectations : Micro Survey Data," American Economic Review,80,434-449.やLaster, David, Bennett, Paul, and Geoum, In Sun,1999,"Rational Bias in Macroeconomic Forecasts,"Quarterly Journal of Economics,114,293-318.といった仮説提示を行っている論文、Ponds-Novell, Jordi,2003,"Strategic Bias, Herding Behavior and Economic Forecasts,"Journal of Forecasting,22,67-77.やEhrbeck, T.,Waldmann, R.,1996,"Why Are Professional Forecasters Biased?Agency versus Behavioral Explanations."Quarterly Journal of Economics,111,21-40.そしてLoffler, Gunter,1998,"Biases in Analyst Forecasts : Cognitive, Strategic, or Second-Best?" International Journal of Forecasting,14,261-275.などの実証分析を行っている論文を発見することができた。これちの先行研究の成果を如何にして「日本のエコノミストの実質経済成長率予測」に当て嵌めるべきかを鋭意検討することが、2年目の課題となった。また、本研究課題で使用するデータベースを作成することと、実証分析の手法について理解を深めることも、来年度以降の課題として残されている。
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