2006 Fiscal Year Annual Research Report
動学的環境における市場メカニズムのゲーム理論的分析
Project/Area Number |
18730137
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
清水 崇 関西大学, 経済学部, 助教授 (80323468)
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Keywords | 動学的 / 市場 / 貨幣 / サイクル / チープ・トーク / 退出と声 / 仮説形成 / 主観的モデル |
Research Abstract |
論文"A Comparative Analysis of TradingInstitutions in a Dynamic Monetary Model"(神谷和也氏との共著)を作成した.この論文では動学的環境における幾つかの取引制度(サーチ・交渉,中央集権的オークション,分権的オークション,ワルラス市場)を比較・分析した.また論文"Real Indeterminacy in Dynamic General Equilibrium Model with Cash-in-Advance Constraint"(神谷和也氏との共著)を作成した.この論文では動学的環境においてはワルラス市場においても定常的サイクルが無数に存在することを示した. また論文"A Model of Exit and Voice"を作成した.この論文では労働サーチ・モデルとチープ・トーク・モデルを組み合わせることで,市場における退出行動と組織内部における「声」("voice")行動との関係性を分析した。また関連して,論文"A Small Incongruence Leads to No Information Transmission"(天谷研一氏との共著)を作成した.この論文では従来のモデルと少し異なる環境でチープ・トークがまったく機能しないことを示し,チープ・トークの限界を示した. また論文"Abductive Inferencein Game Theory"(松井彰彦氏との共著)を作成した.この論文では従来のゲーム理論における演繹的推論・帰納的推論とは異なる「仮説形成的推論」("abductive inference")の考え方を定式化し,いかなるときにプレーヤーの主観的モデルが客観的モデルに一致するかを明らかにした.これにより新たな社会的モデルの分析が可能になった.
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Research Products
(3 results)