2007 Fiscal Year Annual Research Report
定常・非定常経済モデルの構造変化に関する統計的推測
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18730142
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
黒住 英司 Hitotsubashi University, 大学院・経済学研究科, 准教授 (00332643)
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Keywords | 構造変化 / 定常性 / 非定常性 / 閾値 / 共和分 / バイアス修正 / 情報量規準 |
Research Abstract |
本研究の目的は、データの定常・非定常性に依存しない、モデルの安定性の検定手法を構築することであるが、平成19年度は以下の研究成果を得た。 1.構造変化を伴う1変量自己回帰モデルの単位根検定 (1)19年度研究実施計画の1の通り、自己回帰モデルにおいて誤差項の定常・非定常性に依存しない構造変化の検定方法を確定した。この検定は広く実証分析に使われると思われる点で非常に重要である。 (2) (1)の応用として、複数の構造変化を伴う単位根検定が考えられる。19年度は関連文献のサーベイを重点的に行い、サーベイ論文が査読つき雑誌に掲載される予定である。 2.共和分モデルの特性 (1) 19年度研究実施計画2で記述した閾値共和分モデルに関連し、18年度は誤差がAR(1)に従うときのダイナミックOLS推定量の漸近特性を導出したが、19年度は、誤差項が一般の線形過程である場合に拡張し、同推定量およびFMR、CCP推定量の漸近特性を導出した。モデルを一般化したという点で理論的に意義のある成果である。 (2)誤差項の系列相関が高い場合の対処法として、FMRおよびCCR推定量を改良した新たな推定量を開発し、理論的に優れた推定量となることを示した。 (3) 19年度購入したPCにより、上記の推定量の有限標本特性をシミュレーションにより明らかにし、その有効性を示した。 3.情報量規準の確立のための準備 (1) 19年度研究計画2で記述した情報量規準による閾値共和分モデルの選択手法を確立するため、情報量規準に関する先行研究のサーベイを行った。 (2)閾値モデルへの応用の前段階として、通常の共和分モデルをダイナミックOLSで推定する際のリード・ラグの選択のための情報量規準を確立した。
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Research Products
(10 results)