2006 Fiscal Year Annual Research Report
非線形の枠組みにおける単位根検定の検出力比較とモデル特定化
Project/Area Number |
18730149
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
牧 大樹 琉球大学, 法文学部, 講師 (60423737)
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Keywords | 単位根 / 検出力 / 3レジーム閾値自己回帰モデル |
Research Abstract |
本研究では,これまでに提案されたTAR (threshold autoregressive,閾値自己回帰)プロセスを組み込んだ単位根検定の手法に関する詳細な検証を行った.具体的には,TARプロセスにはどういった種類があるか(2レジームか3レジームか,また,レジームの変化が何によってもたらされるか等),閾値の見つけ方などの検定手法にはどういったものがあるのか,漸近分布はどういったものか,に焦点を当てて分類を行った.それを行った上で,3レジームTARプロセスを組み込んだ単位根検定に焦点を当てて,それらの検定間の検出力を比較した.その理由は,2レジームTARモデルは3レジームTARプロセスの特殊形として表現できるからである. モンテカルロシミュレーションの結果,次のようなことが明らかとなった.1.Kapetanios and Shin (2006)によって提案された統計量は,閾値と標本の数が小さい場合に有効であるが,閾値と標本の数が大きくなるとあまり有効ではない.2.Bec, Ben Salem, and Carassco (2004)によって提案された統計量とPark and Shintani (2005)によって提案された統計量は,閾値が小さい場合には,Dickey-Fuller検定よりも検出力が低くなる一方で,閾値が大きい場合には,高い検出力を持つ.さらに,閾値と標本数が大きく,収束速度が速い場合には,かなり有効である. また,モンテカルロシミュレーションの結果を具体的にするために,実質為替レートへの応用分析を行ったところ,検定統計量間の違いが明らかになった.
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Research Products
(1 results)