2007 Fiscal Year Annual Research Report
NOEMによる最適通貨圏の分析および為替レートに関するパズルの解明
Project/Area Number |
18730151
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Research Institution | Otaru University of Commerce |
Principal Investigator |
廣瀬 健一 Otaru University of Commerce, 商学部, 准教授 (40345450)
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Keywords | 国際マクロ経済学 / 為替レート / 最適通貨圏 |
Research Abstract |
本研究は国際マクロ経済学の分野において近年盛んに研究されているNOEM(New Open Economy Macroeconomics)と呼ばれる開放マクロ経済モデルを用いて、EUの通貨統合や将来的な検討が予想される東アジア地域の単一通貨構想のような問題と密接に関わる最適通貨圏(Optimum Currency Area)の分析や為替レートのフォーワード・プレミアム・パズル(Forward Premium Puzzle)等の為替レートに関する重要なパズルの解明に取り組もうとする試みである。 平成19年度における本研究の実施状況は以下の通りである。 1.NOEMによる最適通貨圏の分析に関して まずは、昨年度に引き続き、本研究における経済学的メカニズムを明確にするため、解析的に解くことが可能な比較的単純化したNOEMモデルを用いた最適通貨圏に関する分析を継続して行った。さらに、実際のデータにも基づきながら、より一般的な設定のNOEMモデルを構築し、数値計算を用いて解くことによって、より現実的な状況を想定した最適通貨圏に関するインプリケーションを求める段階にも着手し始めた。 2.NOEMによるフォーワード・プレミアム・パズルの解明に関して まずは、昨年度に引き続き、解析的に解くことが可能な比較的単純化したNOEMモデルを用いた初歩的な考察を継続した。さらに、既存研究でパズル解消に役立つと指摘されている要素(例えば、習慣形成を伴う消費選好や輸送コストによる各国財市場の分断化など)も導入しながら、より一般的な設定のNOEMモデルを構築し、数値計算を用いて解くことによって、フォーワード・プレミアム・パズルの解明に向けた本格的な分析にも着手し始めた。
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