2008 Fiscal Year Annual Research Report
NOEMによる最適通貨圏の分析および為替レートに関するパズルの解明
Project/Area Number |
18730151
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Research Institution | Otaru University of Commerce |
Principal Investigator |
廣瀬 健一 Otaru University of Commerce, 商学部, 准教授 (40345450)
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Keywords | 国際マクロ経済学 / 為替レート / 最適通貨圏 |
Research Abstract |
本研究は国際マクロ経済学の分野において近年盛んに研究されているNOEM(New Open Economy Macroeconomics)と呼ばれる開放マクロ経済モデルを用いて、EUの通貨統合や将来的な検討が予想される東アジア地域の単一通貨構想のような問題と密接に関わる最適通貨圏(Optimum Currency Area)の分析や為替レートのフォーワード・プレミアム・パズル(Forward Premium Puzzle)等の為替レートに関する重要なパズルの解明に取り組もうとする試みである。 平成20年度における本研究の実施状況は以下の通りである。 1. NOEMによる最適通貨圏の分析に関して 実際のデータにも基づきながら、より一般的な設定のNOEMモデルを構築し、数値計算を用いて解くことによって、現実的な状況を想定した最適通貨圏に関するインプリケーションを求める分析を行った。 2. NOEMによるフォーワード・プレミアム・パズルの解明に関して 既存研究でパズル解消に役立つと指摘されている要素(例えば、習慣形成を伴う消費選好や輸送コストによる各国財市場の分断化など)も導入しながら、より一般的な設定のNOEMモデルを構築し、数値計算を用いて解くことによって、フォーワード・プレミアム・パズルの解明に向けた本格的な分析を行った。 今後も上記の分析を発展させながら、本研究の成果を英語論文としてまとめ、査読付き国際雑誌への掲載を目指す予定である。
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