2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18730152
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
張 陽 Tohoku University, 大学院・情報科学研究科, 助教 (60302204)
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Keywords | 失業 / 効用水準 / 混雑 / 快速道路 / 金融危機 / 交通システム / 土地利用 / 高速道路 |
Research Abstract |
本研究は大連を対象に過去15年間の中国都市部失業率の変化とFDI(外国直接投資)との相関から、中国都市部失業率の上昇を分析するものである。昨年度まで理論的なモデルを構築し、FDIが大量の潜在している農村過剰労働人口を顕在化させ、都市部の失業率を上昇させたことを理論的に証明した。 FDIのほかに過去15年間、中国政府の公共施設への大規模投資も大量の農村過剰労働人口の都市部への流入の引きかねとなっている。本年度は同じく大連を対象に都市政府の公共施設への投資が都市混雑へどのような影響を与えるかを分析した。1988年から2003年まで、大連市政府が大規模の道路整備を行ってきた。特に輸送時間や通勤時間を節約するために、都市の中心部(CBD)と主な業務区である経済開発区との間に快速道路を建設した。一般道路よりスペードが早いため、建設された当初に快速道路がある程度混雑を緩和できたが、15年後に当該快速道路での通勤速度は一般道路と変わらなくなった。この不思議な現象を究明するために今年度は交通学と都市経済学の理論モデルを基に新たな都市モデルを作り、しかも綿密な比較静学分析を行い、快速道路の建設は都市空間構造への影響を調べてきた。分析の結果により、快速道路の建設は短期では都市混雑を緩和することができるが、長期においてより多くの外来人口の都市への流入を加速させるためにより深刻な混雑を引き起こしたことが分かった。 さらに大連のデータを基に実証分析をも行った結果、100万人が増えると快速道路の速度が3.5倍以上減少することが分かった。当該研究結果は中国国内数個の学会に発表し、数人の専門家がこの研究に興味を示し、これから当該研究において中国の専門家と共同研究の形で中国のほかの都市のデータを用いてこのモデルの正確性を検証する。
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Research Products
(2 results)