2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18730154
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大橋 弘 東京大学, 大学院経済学研究科, 助教授 (00361577)
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Keywords | ネットワーク効果 |
Research Abstract |
ネットワーク効果を持つ産業において、ひとつ重要な課題として、企業の経営戦略のあり方についての議論がある。とくに、複数の異なる規格の間に互換性を持たせるか否かは、規格間競争のあり方に重要な影響を及ぼす。本研究計画では、この互換性の問題に焦点を絞り、実証的な観点から提言を行なうことを目的としている。製品間に互換性を持たせるか否かの経営判断は、大きく分けて2つの点-技術革新と市場競争-に対して影響を与える。互換性がない規格が競争する場合には、企業はそれぞれ自分の規格に消費者を囲い込むために、競い合って性能の向上に努めるが、互換性がある規格の間には、技術革新を行なうインセンティブは小さい。一方で、互換性をもたない規格同士は、互換性をもつ規格と比較して差別化されていることから、製品間の競争はより緩やかになる傾向が見られる。互換性の有無が、技術革新および市場の競争構造にどれだけの影響を与えているのかは、未だ分析されていない実証的な課題である。アメリカにおけるビデオゲーム産業のデータを使って、上記のような互換性の影響を観察するために、18年度においてはビデオゲームのハード(ゲーム機)およびゲームソフトに関するデータの収集を行なった。ハードのデータに関しては、ゲーム機規格ごとに、実売価格、販売数量を月次で収集すると共に、ゲームソフトに関しては、ゲーム機規格ごとに、それぞれのゲームソフトのタイトルに関して、実売価格、販売数量が月次で収集した。データ収集と平行して、推計に用いるための動学的なモデルに関する文献のサーベイを行い、来年度に用いるにたる推計モデルについての検討をおこなった。
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Research Products
(4 results)