2007 Fiscal Year Annual Research Report
グローバリゼーション時代における都市・地域労働市場の分析
Project/Area Number |
18730162
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐藤 泰裕 Nagoya University, 大学院・環境学研究科, 准教授 (30332703)
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Keywords | 都市・地域労働市場 / グローバリゼーション / 失業 / スキル・人的資本 / 地域経済学 / 都市経済学 / 国際経済学 / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
今年度は、貿易が職業選択にどのような影響を及ぼすのかについての研究を行った。これまでのところ、貿易が様々な経路を通じてスキルを必要とする仕事の選択(スキル形成)を促進する可能性があることを示した。特に、労働需要に影響を与える場合と労働供給に影響を与える場合で、賃金構造に及ぼす影響が大きく異なることが明らかになった(Sato and Yamamoto 2007)。更に、アメリカで観察される賃金構造変化は労働需要を通じた変化と整合的であり、ヨーロッパで多く観察される賃金構造変化は労働供給を通じた変化と整合的であることを示した。 また、貿易が起業行動に及ぼす効果も分析した(Oyama, Sato, Thisse and Tabuchi 2007)。この中で、貿易を行う国の規模が異なる場合、規模に応じて及ぼす効果が異なることが明らかになった。具体的には、大国と小国とでは、常に大国において起業行動が活発であるが、その差は、貿易のためのコストに依存し、国際的な取引がスムーズになるにつれて、差が拡大→縮小という様相を呈することが分かった。 引き続いて、日本の都道府県データを用いて、起業行動がどのような要因に左右されるのかについての分析を開始した。これまでの分析により、当該地域の市場規模が極めて重要な要因であり、その影響はnon-monotoneである可能性が明らかになった。
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