2006 Fiscal Year Annual Research Report
アジア経済圏における環境保全的なハブ配置と国際輸送ネットワーク形成に関する研究
Project/Area Number |
18730165
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
松本 秀暢 神戸大学, 海事科学部, 助教授 (70294262)
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Keywords | アジア地域 / ハブ(拠点)性 / 国際航空旅客・貨物流動 / 新空港効果 / 重カモデル / パネルデータ分析 |
Research Abstract |
今年度は、本研究課題を遂行する上での準備的/基礎的研究として、主に以下の2点について取り組んだ。 1.既存の国際旅客/貨物流動データを収集・整理すると同時に、欠損データおよび入手不可能データを推計し、本研究課題の基礎的データ・ベースを構築する。 2.経済的相互依存関係が強まり国際分業が進展しているアジア経済動向と、アジア諸国の国際運輸政策の現況を調査する。 1に関しては、当初予定していた国際民間航空機構(ICAO)等の国際機関から統計書の入手が困難であったために、OAGから発行されているデータの入手可能性、および分析を行う上での利用可能性について検討を行った。2については、アジアにおけるハブ化戦略を積極的に展開している韓国の仁川国際空港を中心に、ヨーロッパにおいて同様の政策を推進しているアムステルダム・スキポール空港と比較しながら取り組んだ。 2のテーマに関連した研究として、新空港の開港が都市の拠点性/中心性に及ぼす影響について分析を行った。そこでは、アジア地域において新空港が開港した主要都市について、新空港開港効果をパネルデータ分析によって定量的に明らかにした。結論としては、大阪、香港、そしてソウルにおいて、新空港開港後に有意な航空旅客数/貨物量の増加が認められた。また、アムステルダム大学の経済研究所に研究滞在を行い、オランダにおける国際物流政策の展開についての調査/研究、および国際航空データについても情報収集/分析を行った。同時に、国際航空ネットワークの評価を行う上での有用な分析ツールについて、共同研究を行なった。
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