2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18730167
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
松島 法明 Kobe University, 経営学研究科, 准教授 (80334879)
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Keywords | 公企業 / 医療 / 民営化 / 品質 / 労働 |
Research Abstract |
教育や医療では公的サービスへの不信感が無視できない問題であり、この状況をモデルに組み込んで分析する事の重要性を確認した。そこで、Ishibashi and Matsushima (Marketing Science, 2009)によるサービスの質への重み付けが消費者で異なることを取り込んだ理論モデルを、混合寡占市場の設定に拡張し分析した。この分析により、公企業が存在する事で私企業が提示する価格が高止まりする傾向にある時、民営化をすべきであることが明らかになった。この研究では、主に医療を想定した設定になっているが、公設と私設の運動施設における競合などにも適用可能な結果と考えている。この結果をセミナーなどで発表し、意見を取りまとめた上で、神戸大学経営学研究科のディスカッションペーパー(DP2008-58)の形にし、学術雑誌へ投稿をした。 これとは別に、近年のグローバル化を踏まえ、外国資本が参入した場合の公企業の存在意義について製品差別化の要素を取り込んで理論的に考察した。企業の市場への参入が容易であるか否かで結果は異なり、参入が容易である場合(長期の場合)、外国資本の割合が高いほど民営化により外資参入を促した方が社会的に望ましい事を示した。この研究は学術誌への掲載が決まった。 また、医療をはじめとして公務員の労働条件が問題になっている事を踏まえ、混合寡占市場において、官民均衡と呼ばれる公務員への賃金規制(賃金交渉の制限)が社会厚生へ与える影響を考察した。その結果、この賃金規制によって経済活動が抑制されうることを示した。この研究は学術誌への掲載が決まった。 これらとは別に、論文が英文査読誌に公刊されている。
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Research Products
(6 results)