2006 Fiscal Year Annual Research Report
日本における医療サービスと薬の消費、及び薬事法に関する社会経済的研究
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18730169
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
澤野 孝一朗 名古屋市立大学, 経済学研究科, 助教授 (80336354)
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Keywords | 医療サービス / 健康保険 / 愛知県 |
Research Abstract |
本研究の目的は、日本における医療サービスと薬の消費の関係について、医療保険制度、薬事法制や医事法制め変遷のなかで、どのような変化をたどってきたのか、そしてその要因は何であったのかについて、社会経済的に明らかにすることである。研究は3ヵ年において実施される予定であり、本年度は第1年度である。 本年度の活動は、大きくわけて、次の3つから構成される。第1は、医療サービスの需要構造について、その現状をまとめ、評価を行うことである。本年度は特に、労働者本人と家族に注目して、愛知県内の家族を事例として、医療保険制度のなかの医療サービス需要の分析を行った。本研究の一部はすでに論文「愛知県における労働者と健康保険制度」として公表済みであり、引き続く分析と論文作成を行っている。 第2は、医療サービスと薬の消費を背後で規定する、人々の健康に関する研究と活動に関するサーベイ調査である。本年度は特に沖縄県内の高齢者に関する健康・長寿に注目して、その政策展開(医療・観光連携)と合わせて、現状の取りまとめを行った。本研究の一部は近日中に公表される予定である。 第3は、薬業に歴史を持つ地域の現地調査の実施である。本年度に現地調査を実施した都道府県は、北から順に北海道・富山・滋賀・奈良・佐賀・長崎・沖縄である。現在、収集した資料の整理、および追加的な論文資料の収集を行い、取りまとめを行っている最中である。 最後に、来年度以降に予定されている活動計画は、次のとおりである。医療サービスに関しては、労働者本人の医療サービス需要に関する経済学的評価を行うことである。特に外来医療サービスに注目して、その価格弾力性を測定し、薬の消費構造と大きく関係を持つ代替性の特徴について明らかにしてゆく予定である。薬事に関しては、本年度に実施した現地調査のレポートを作成し、調査から明らかとなった薬事法制の特徴と、その問題点の分析を行ってゆくこととする。
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Research Products
(1 results)