2007 Fiscal Year Annual Research Report
経済の国際化と日本の労働市場に関する理論的・実証的研究
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18730170
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
松原 聖 Nihon University, 商学部, 准教授 (40336699)
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Keywords | 経済国際化 / 海外直接投資(FDI) / 逆輸入 / 空洞化問題 / 中国・東アジア・東南アジア / 労働需要 / 日本経済 / 製造業 |
Research Abstract |
交付申請書で研究実施計画を説明した2論文については、学会・研究会での報告とそれに基づく論文の改定が研究活動の中心となった。実証分析については一橋大学でのせミナーで報告を行った。理論研究については、昨年度行った学会・研究会報告での成果を踏まえ、政策効果を見るためのシミュレーション分析を行った。これらに基づく論文の改定を現在も進め、査読付きの専門誌に投稿するための準備をしているところである。同時に最近発表された関連研究のフォローを行った。 この他日本経済の国際化に関する理論分析として、海外直接投資(FDI)のスピルオーバーに関する理論研究を行った。この分析は高い技術を持つ日本の製造業、例えばデジタル家電メーカーが生産拠点を国内・海外(特に中国等の新興国・途上国)のどちらかに立地する際に、輸出よりもFDIの方が現地企業への技術のスピルオーバーが起こりやすいとされる状況を対象としている。先行研究ではスピルオーバーが外生的なケースでの議論がほとんどであるが、この分析ではスピルオーバーの内生化、特にスピルオーバー阻止のための投資費用を想定していることが大きな特徴である。研究実施計画の2論文とは、実証分析については企業の海外生産活動の理論的背景を与えるものであること、理論分析についてはスピルオーバーの一員として日本企業の現地法人に雇用されていた労働者が現地企業に移ることによる経路が議論されていること等から、いずれも深く関連している。
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Research Products
(3 results)