2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18730176
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Research Institution | Nishogakusha University |
Principal Investigator |
飯田 幸裕 Nishogakusha University, 国際政治経済学部, 講師 (70366970)
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Keywords | 国際金融論 / 為替レート / 通貨統合 |
Research Abstract |
本研究は、アジアにおいて通貨統合が成立するかどうかの可能性について、最適な為替レート制度に焦点を当て理論面および実証面から分析を試みたものである。具体的には、アジア地域においてヨーロッパのような通貨統合が可能であるのかどうか、通貨統合に近いものができるのかどうか、通貨統合が可能でなければ各国にとって最適な制度が提案できるかを明らかにするものであった。 平成20年度は、5月に開催された日本経済政策学会全国大会(関西大学)において「De factoの為替レート制度に関する-考察」の報告を行い、この原稿を基に、最適な為替レート制度を探求するサーベイとして、二松学舎大学国際政会『国際政経』第14号で「為替レート制のにする書(研ノート)を発表した。 また、通統合に関しては、二松学舎大学東アジア学術総合研究所集刊第39集において、「通貨同盟の条件に関する-考察」を発表し、十分ではないが通貨同盟の必要条件、十分条件に関するサーベイと、問題提起を行った。 本研究の結果として、現時点ではアジアにおいてヨーロッパのような通貨統合が成立する可能性は低い。また、最適な為替レート制度として、厳格な固定レート制あるいは変動レート制を選択する「両極の解」と管理フロート制のような「中間的制度」のどちらが最適であるかを明言することは難しいが、将来両極へと移行していく上で、管理フロート制など中間的制度が果たす役割は大きいと思われる。1点明確にしておくべきことは、これらの結果に直接つながる研究成果を査読付の雑誌で発表できなかったことである。これらの成果はできるかぎり早く査読付雑誌への発表という形で反映させたいと考えている。
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