2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18730178
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
倉田 洋 立命館大学, BJC社研究機構, 研究員 (60411245)
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Keywords | 海外直接投資 / 外資規制 / 国際合弁企業 / 製品差別化 / 企業立地 / 不完全競争 |
Research Abstract |
本年度は、主に以下の研究を行った。 1.差別化のある産業での外資規制政策 自国企業と外国企業が差別化財を生産し、外国企業が自国企業と国際合弁企業を形成し自国に進出するか、外国にいるままで競争を行うかという状況下で、自国政府がとるべき外資規制政策に関する分析を行った。本研究では、クールノー競争およびベルトラン競争における最適外資規制率を導き、異なる競争状態での外資規制率の比較を行っている。結果、ほとんどのケースで,クールノー競争ではベルトラン競争での外資規制率より緩やかになることが示された。この結果は、先行研究における結果と対照的である。本研究については、現在論文を執筆中であり、海外査読誌に投稿予定である。 2.サービス産業における立地と経済厚生 ホテルやレンタカーなどのサービス産業のように、企業が立地した場所でしか販売を行うことができない産業で、企業が2地域のどちらかに立地を行う場合の均衡立地・経済厚生について分析を行い、2本の論文を執筆した。主な結果は以下の通り。 (1)企業が一定の限界費用を持ち、対称的2地域への立地を行う場合、企業にとって均衡立地は効率的・非効率な場合があるが、消費者・経済全体にとっては常に効率的。(海外査読誌へ投稿中) (2)企業が逓増的限界費用を持ち、企業が参入を行った後、対称的2地域へ立地する場合、企業・消費者共に均衡立地が効率的・効率的でない場合がある。経済全体の観点からは均衡立地は常に効率的。(下記11.の論文) 経済全体の観点から均衡立地が効率的であるという結果は、2つの投資可能な地域のどちらかに直接投資を行う状況では、立地企業数を変化させる政策(例えば誘致政策)は経済全体の観点から望ましくないことを示唆している。 さらに、市場規模が異なる場合の均衡立地・経済厚生についても研究を行っているが、論文についてはいくつかの学会で報告を行い、現在改訂中である。
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