2007 Fiscal Year Annual Research Report
日本の税制・社会保障制度が女性の就労行動と離婚の意思決定に与える影響
Project/Area Number |
18730200
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
坂田 圭 Ritsumeikan University, 経済学部, 准教授 (60346137)
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Keywords | 離婚 / 労働供給 / 実証分析 / 家族 / 労働市場 |
Research Abstract |
(1)配偶者特別控除の部分的廃止が労働供給に与えた影響に関して分析した。学会やセミナーでのコメントを考慮し、リバイズを行った。 (2)日本の離婚率はなぜ長期に上昇しているのかを時系列分析した。法制度が有責主義から破綻主義へ移行したことが、離婚率を上昇させたのかについて分析した。最高裁と高裁の離婚請求事件の判例を用い、判例インデックスを作成した。離婚訴訟に勝訴する確率を、別居期間、原告性別ダミー、未成熟の子の有無などを説明変数に用いてプロビット分析により求め、予測確率を判例インデックスとして用いた。また、時間とともにパラメーターが変化するように、逐次推定を実施した。その結果、レジーム変化は長期的にも短期的にも離婚率の上昇を説明する要因にはなっていないことがわかった。 (3)都道府県間の離婚率の差は、どのような要因によって発生しているのかを都道府県パネルデータで分析した。特に生活保護の受給のしやすさが離婚率に与える影響に関して分析した。女性有業率、男女間賃金格差、景気変動などに生活保護捕捉率を説明変数として加えて分析したが、生活保護の受給のしやすさが離婚率に与える影響は限定的であることがわかった。また、前述の判例インデックスは、都道府県パネル分析でも国全体の法制度の変化を捉えた変数として使用されたが、有意な結果は得られなかった。
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